| NAKAさんの写真教室 | 中部の花火情報館 |
| ネガフィルムvsポジフィルム | ||
| ご存知のようにカラーフィルムにはネガフィルムとポジ(リバーサル)フィルムがあり、その性能は一長一短ですが、一般的にポジがプロも多用し、写真教室の先生も勧める優れたフィルムという印象を持たれる傾向にあり、どちらを使うか悩まれる方も多いですが、ネガの長所も正しく理解された上で、目的により使い分ける参考にして頂ければと思います。 ポジフィルム ポジとはいわゆる陽画で、現像後のフィルムはプリントの様にそのまま鑑賞出来る画像となり、スライドでの鑑賞及び特に印刷原稿としての適正が主要な利用目的で、撮影条件による結果が、現像条件にそれほど影響されずに出る事から、露出やカメラ操作の勉強にと写真教室等で勧められるケースも多い。 ただし、それが完成画像である為、その後プリントするにしても、印刷するにしても濃度、カラーバランス等の変更はネガに比べて大幅に限定される。粒状性が良く、カラーの発色性に優れると言われている。露出のラチチュード(記録出来る露光域)はきわめて狭く、撮影の失敗は救済不能となり易く、撮影には慎重を要する。 ただ最近のカメラは測光性能もよくオート設定でも、通常撮影にはそれほど支障はないが作品や商用として完全を期待する効果を得る為には、露出の知識を習熟した上に、なおかつ失敗を防ぐ為、色温度の補正フィルターを使い、段階露出等の安全策を講じた上、なおかつテスト現像の上、増感・減感の指示をするという程、実に面倒なフィルムでもある。 ポジは撮影ですべて決まり、ネガはプリントの後処理で決まると言われる所以である。 適正露出の範囲は、人の主観により、いろいろ言われているが、プラス1段〜マイナス2段、プラス0〜マイナス1段など等等。中級以上のカメラに普通3段階の段階露出機能があるのは、この為でミスを防ぎたい大事なショットは1/3ステップで、妥協しても1/2で数多く撮影しておく事をお勧めする。もっとも目的が印刷目的であればマイナス目、プリント目的であればプラス目が結果はいい。フィルムの種類によって表示されたISO感度も、これはネガも同じだが、実効感度はISO100のフィルムでも80であったり120であったりするし、乳剤が製造ロットにより変わる事もあり、プロはそのリスクを少しでも避ける為、同一乳剤のものを大量に買って、ストックされる方も多い、また使用有効期間も短く、保存は冷蔵庫、保冷庫を要する。それでも実際の印刷となると、途中にオペレーターが介在し、又機械のカラーマッチングが完全には行かず適正な発色の印刷はいずれにしても難しい。 厳密に考えれば、かほどに難しいフィルムをプリント目的の一般アマチュアに勧めるのもどうかとも思うが、それは求めるクオリティーの問題で、どこで妥協するかが問題で、実際はカメラのオート撮影でも一応の成果は得られているが、こういうフィルムであるとの参考に記載しておきます。 つぎはポジを使う利点に、裏返せばネガ処理の欠点であるが、店によって、又同じ店でも同じプリントは出来ないというネガプリントの処理のバラツキがあり、自分の撮影が正しかったのかプリントが正しいのか結果の判断がまず、一般のひとには出来ないが、ポジなら正しいとはいえない面もあるが、おおよそ撮影結果は現像結果として現れるという利点は大きい。 花火撮影に関しては、ポジのコントラストの高さが幸いして、ネガに有りがちな焼き込み不足による光の滲みも少なく、発色も素晴らしい(とくにRVPベルビアの強調された発色)。露出の過不足は多少アンダーでも相手が光源のため特にアンダーの印象には成りにくいが、オーバーの場合は色彩情報も飛び、真っ白くなり救済不能となり易いので、注意を要する。 花火の色にもかなり左右されるが、通常ポジの場合はネガより1段以上絞ったほうが、結果は良さそうです。背景はアンダーになってもネガの場合より暗部のディテールは出やすい。 ネガフィルム 対して、ネガフィルムは反対に陰画となる。画像が反対だけならいいが、性格も反対となる。 ネガはプリントを主目的に作られたフィルムで、現像後のフィルムは淡いオレンジ色をしていて余計画像の判別を難しくしているが、このオレンジマスクはカプラーと言われる着色剤でプリントに際して、色素の発色性を高める為の技術目的が有り、その色は各メーカー、各製品によって微妙に異なる。乳剤の多様化もあり、プリントに際して、その製品毎に色、濃度の設定条件が変わる事も、ネガプリントの処理技術の難しいところで有るが、適正に処理すれば、グラデーション、発色に優れたプリントを得る事が出来る。 ネガの長所は何といっても、ボジに比較して、そのラチチュードの広さ、豊富な色彩情報、多階調のグラデーション等その現像されたフィルム自体が持つ情報量の多さが、ポジと決定的に違い、多少露出の失敗はプリントで救済出来る。なぜ救済されるかというと、プリントはその多くの情報量の中の一部の範囲を取り出しているだけで、その他の情報を取り出せば、全く違ったプリントが出来るからです。ですから正しくは救済という表現ではなく、他の情報の再現と言った方が良いでしょう。 ラチチュードはポジの場合、EV値(適正露出量)が5前後といわれる。これは明暗差のある被写体に対して絞りでいえば5段階までの明暗差が記録出来ると言う事だが、これがネガの場合はなんとEV値10前後の情報が記録される。これはオートプリントの機械の判断にしろ、ラボマンの判断にしろ、この10の情報の中から自由に適正と思われる5の情報の範囲を選んでプリント出来るという事です。色情報にしてもしかり。 要するに、ポジはプリント画像と同じくEV値5の範囲に色情報、濃度情報等が固定されるので補正が困難となるが、ネガはそのフィルム自体にポジの約2倍もの情報量が包含されている為、その範囲内であれば、補正ではない再現が可能となる。この情報量の多さの為、フィルムスキャナーで取り込む為の時間はポジより非常に多くなる。但しポジは露出オーバーに弱いが、ネガの場合は逆に露出アンダーに弱く、暗部は粒子が目立つようになる。と言う事は、ネガの場合は前述の露光域の広さを利用し、カメラの露出設定値よりオーバー目に撮影すれば失敗は少ないと言う事です。 実際、業務として膨大な量のプリントを見てきましたが、ポジは失敗の多くは露出の過不足で、ネガの場合は失敗の大半は露出不足に起因し、露出オーバーの失敗は極端に少ない。かといって、超過度の露出オーバーはプリント全体のカラーバランスの崩れとなり、適正な発色が出来なくなるので、過ぎたるは及ばざるが如しだが、されどネガはオーバー目に露出すべし。ネガでも適正露出にこした事は無いと言われる方もいるが、その適正露出の中のアンダー域をカバーする為には、やはり全体がオーバー目のほうが、プリントで調整し易い。 アンダーで写せばアンダー部分の再現が出来ると思いがちだが、オーバーの露出を掛けて、焼き込みによってアンダー部分を再現する方が結果は良い。つまりネガはフィルムに多くの情報を記録するためには、多くの光を与えた考えた方がいいという事になります。 極端に言えば、使い捨てカメラ、絞りやシャッター速度の公表値は勿論無いが、想像値として f11、1/125位と思われるが、これにISO800のフィルムが入り、これを平気で真夏の海辺や晴天の冬のスキー場で皆さん写して来る。これがポジなら救済不能の真っ白の世界だが、ネガだけに勿論露出オーバーではあるが、なんとか救済出来る。これほどネガは露出オーバーに強い。 花火の場合は、ISO100のネガでf8にしておけば、まず大丈夫でしょう。ポジではf11位が目途です。
ネガとポジの比較 よくポジがネガよりシャープで発色も良いと耳にするが。どういう比較法をされているのか、ここで考えて見たい。ポジはカラーボックスに当ててルーペで確認、ネガはサービスL判のプリントで確認して比較という事であれば、大きな間違いです。 まず比較するサイズが違いすぎる 35mmフィルムの有効面積は24mmx36mm、片やL判プリントのサイズは89mmx127mm、その面積比は約13倍。13倍といえばL判と半切の面積比で、これでシャープ差の比較が出来るわけがありません。 一次原稿と二次原稿の差 ポジはこの場合一次原稿であり、ネガプリントは二次原稿です。一次原稿とは現像した原版の事で、二次原稿とは第1回の複写された物、たとえばポジから複製を作るデュープ、ネガを作るインターネガ、ポジプリント(ダイレクト)やネガからのネガポジ、ネガプリント等は複写の過程を経るため、画質は確実に劣化する。中判や大判のフィルムならその面積の優位性で多少の劣化はカバー出来るが、35mmの複製では劣化が目立つ。 反射光と透過光の差 ポジフィルムは裏から光を当てた透過光で見、プリントは反射光で見る事になるが、プリントも透過フィルムにプリントされたものを、透過光で見れば鮮やかな発色に見える。 フィルムの品質の差 ネガ・ポジ共粒状性と発色性を高めた高級フィルムから一般フィルムまで多くの製品が有りますが、ポジではベルビアのような低感度、高微粒子の高級フィルムを使いネガでは一般フィルムを使っての比較では当然、差は出ます。これだけのハンディーを付けては、比較は出来ません。 強いて比較するとすれば、ポジからのダイレクトのL判プリントと比較すべきで、そしてこの比較の限り、ネガプリントの方が優れている。皆さんもポジをルーペで見た印象で、出来上がったダイレクトプリントを比較してがっかりされたケースも多いと思います。濃度が落ちて、色再現も問題、コントラストが強すぎる、ピントが甘くなったと感じる等。これはプリントの適正の問題もありますが、これがポジの実力でもあります。ダイレクトプリントも大伸ばしの場合は近年クリスタル調の優れたプリントが主流になって来たが、高級ペーパーをつかえばこれはネガとても同じ。 感覚的にポジが粒状性・発色性に優れていると思っている方が多いが、素材である銀粒子の大きさが同じである以上、再現される粒状性は同じであるはず。ポジフィルムは完成画像という目的により、フィルム自体のコントラスト・濃度を高目にしてあり、これが見た目でのシャープ感・色彩感を与えていますが、ネガフィルムは逆に階調性を高める為、コントラストは低目に設定し、プリントでコントラストを与えるという考えですので、デジタル処理する場合は、最終段階でコントラスト・濃度・シャープ処理等をする事により画質が向上します。 ネガフィルムは陰画であり、又オレンジマスクというベールに包まれて、その素顔が見えない為、多くの誤解が生じていますが、もし陽画で見えるとすると、そこにはポジに負けない素晴らしい画像があるはずなのですが。 印刷原稿としての適正 ポジが誤解される優位の決定的な差は、この印刷原稿としての有利さです。それはフィルムが優れているという事ではなく、今のオフセット印刷の処理工程が確立されており、その工程上ポジの透過原稿としての陽画が必要とされて来た事に起因している。スキャナーでカラー分解するのなら、ネガでもポジ画像に反転して取り込めば同じと思うのだが、実際はいままで述べてきたネガの情報の複雑さに処理現場が対応が困難らしい。そこでネガはプリントしたものを反射原稿としてスキャンするが、2次原稿になりポジほどの再現が期待できない。 以上いろいろ書いて来ましたが、参考になりましたか。 要は印刷目的なら、まずポジフィルムを使用すべきで、プリント目的ならネガフィルムが優れている。が、、多少印刷品質が落ちてもプリントからも印刷は出来るし、値段が高いがポジからもプリントは作れる。最近はプリントの反射原稿からの印刷も印刷対応力が上がり、一部プロ写真家の間では、自家現像でプリントを作り反射原稿としての出稿の方向もあるようです。メリットはポジでは特に人物の微妙な色調、グラデーションが出しにくく、フィルターワークにも限界があり、結局ポジ処理のオペレーターに依存せざるを得なくなる点、ネガプリントなら多少撮影条件が雑でも、自分で自分好みの色を出せるメリットは難しいとはいえ大きい。但し予算と時間があればの条件付き。 今後は印刷も急速にDTPの時代を迎え、印刷原稿がデジタル化されて来ているが、その場合デジカメは別テーマで述べるとして、自分でスキャンする場合、ネガ・ポジどちらがいいかの議論になって来ますが、私の経験上ではネガが情報量自体がポジの2倍ある為、スキャン時間が長く、カラーバランス等の調整も複雑だが、処理に慣れれば情報量を生かしての補正・調整によりポジよりいい結果が出し易い。ポジの欠点はフィルム・撮影・現像のバラツキによりいい時はいいが、カラーバランス等がくずれた場合、補正がきわめて困難になるケースがあり、最近は印刷も意識してポジを少し使っているが、その場合でも心配の為、ネガも必ず並行して使っており、スキャン結果はネガの方が 良好であり、・・・さてと思案中ですね。 なぜポジが心配かといえば、たとえ撮影技術は完璧であっても、フィルム自体のばらつき、現像のばらつき等の影響は避けがたく、原因不明の予期せぬ結果に仕上がるもあり、そうなると、その撮影すべてがボツとなってしまう事もあり、プロであれば現像結果を祈って待つ事になる。ネガなら撮影のミス以外はまず心配ない。 ネガフィルムの欠点として、その豊富な情報量の中から、どう銀鉛プリントするかはラボに任せざるを得ない点で、厳密な再現を求められる印刷業界がサジを投げた処理を、町のミニラボ店が対応する訳ですから、当然処理のバラツキは避けられません。後段ページで説明しますが、よってプリント結果はそのフィルムのプリントの単なる一例として捉えてください。 プリントの処理のバラツキが気になると思いますが、別ページでネガとラボの対応上、どうすれば双方、より良い結果が得られるようになるかについて、ミニラボ機を使用した写真店時代の経験を含めてお話します。 ネガフィルムのABC |